2016年7月20日(水)、FONTPLUS DAYセミナー Vol.4は「グラフィックデザインから見るWebデザイン」のテーマで開催いたしました。ご来場いただき、ありがとうございました。

第4回FONTPLUS DAYセミナーでは、アートディレクターの大里浩二樋口泰行さんの両名を招き、Webデザインをグラフィックデザインサイドから見て客観的な考察をしながら、その疑問や問題点を参加の皆さまと一緒に学びました。
Webデザインとグラフィックデザイン。どちらも視覚によって情報やメッセージを伝達するデザインですが、その特徴や扱い方は異なります。しかし、訴求を求める情報伝達の媒体として、共鳴する要素も少なくありません。
閲覧者を魅了するデザインに必要なことは何か。グラフィックデザインから由来する表現に欠かせない基本は何か。Webデザイン固有の特徴や強み、弱点や注意点は何か。現代のWebデザインから、グラフィックデザインは何を吸収できるのか。その疑問をご参加の皆様と一緒に学びました。

FONTPLUS DAYセミナー Vol.4 「グラフィックデザインから見るWebデザイン」まとめ
http://togetter.com/li/1002491 


1nd セッション「構造と表現(配置,配色,図版,文字)」


まずは、ビジュアル関連の話から。大里さんと樋口さんから、自分で制作した事例作品をたくさん紹介していただき、グラフィックデザインとWebデザインの共通点や相違点を説明していただきました。


2nd セッション「企画と制作工程(コンセプト・メイキング,ディレクション,ワークフロー)」


制作におけるワークフローとディレクションに関するトークセッションがとても興味深い内容でした。

これからのディレクターとは?

  • 全体のプランニングが組み立てられるか?
  • カメラマンに指示できるか?
  • 撮影の際にスタリストに指示がてきるか?
  • イラストレーション制作に指示ができるか?

協力者へ自分の想いを伝えられるか?

すべての要素について専門職と同じ知識を持つ必要はないけど、協力者(内部メンバーだったり、外部のメンバーだったり)ときちんと意思疎通ができるディレクターが求められているのです。

そして、総合的な提案ができるようになること、大きな視点でデザインを捉えることも重要です。

Webの人も写真に詳しくなろう

  • カメラマンにラフスケッチが描けるか?
  • ロケーションは? 光の角度は?
  • ギチギチ感を撮るためには、広角ではなく、望遠で撮る。

こんなことは、基本的なお話だけど、分からない(知らない人が多い)人も多いのではないでしょうか。
綺麗な写真を撮るための基本知識などは必要はディレクターにとって必修科目と言えるのではないでしょうか。
カメラの基礎知識は、紙のデザインのみならず、Webコンテンツにおいてもとても重要ですね。

今回、技術的なことをあえて避けて、デザインを大きな視点で捉えたとてもためになるセッションでした。

じゃんけん大会

大里さんと樋口さんから、それぞれの著書をプレゼントしていただきました。



質問コーナー


書体を選ぶときに気をつけていることは?

コーポレート案件においてて、「クライアント毎にイメージあったものを選ぶ」「書体は3書体ぐらいまでにする」「その会社の既存のもの(名刺、会社案内とか)を調査およびヒアリングする」「その会社の文化、歴史を調査する」「普段からそれぞれの書体の背景を知っておく」など。

広告や雑誌においては、「広告や雑誌のあり方をまずは理解する」「書体の選択は色を決めるのと同じ」「制作するメディアと対面してよく考える」など。

トークセッションの中ででてきた「こうさくしゃ」とは何ですか?

「工作舎」で検索してみてください。祖父江慎さん、戸田ツトムさん、など。


登壇者大里浩二さんからのメッセージ


グラフィックデザインとは視覚に飛び込むものすべてをコントロールすることです。与えられた素材を配置するだけではデザインとは言えません。これは料理の世界で置き換えてみるとよくわかります。
お皿に盛り付けることしかできない人は、よい料理人とは言えないですよね。腕の良い料理人は素材の吟味から、調理、器の選定、盛り付けまで含めてすべてをコントロールします。もちろん、召し上がる人の性別や年齢、好みも意識しますし、その時代ごとの流行も意識します。
デザイナーもターゲットを考慮して、時代の流行も取り入れた上で、素材としての写真やイラスト、その他の図版、テキスト、配色など、すべてをコントロールできる人が優れたデザイナーと言えるでしょう。
日頃から、これらのことを意識するだけでも、デザイン力はグングン上がっていきます。さらなる上を目指していきましょう。


■ プロフィール
大里浩二 (Koji Osato)
アートディレクター
株式会社THINKSNEO 代表
大阪芸術大学 非常勤講師
東京工科大学 非常勤講師
東洋美術学校 非常勤講師
日本デザイン学会会員
意匠学会会員
日本印刷技術協会主催 DTP エキスパート認証委員
広告・CI・Web・エディトリアル等、幅広いジャンルを手がけるアートディレクター。デザイン論・色彩論等に造詣が深く、学校講師をはじめ専門書の企画・執筆や各種講演も行っている。
著書:デザインを学ぶすべての人に贈る カラーと配色の基本BOOK(ソシム)、名刺・チラシ・小冊子を作って覚える! レイアウトIllustrator教室(ワークスコーポレーション) など
共著:やさしいレイアウトの教科書(MdN)、デザインを学ぶ3 文字とタイポグラフィ(MdN)など
監修:すべての人に知っておいてほしい デザイン・レイアウトの基本原則(MdN)、すべての人に知っておいてほしい 配色の基本原則(MdN) など
Twitter: @thinksneo
Facebook: thinksneo

登壇者樋口泰行さんからのメッセージ

FONTPLUS DAYセミナー Vol.4[グラフィックデザインから見るWebデザイン]へのご参加ありがとうございました。デザインを行う場は、紙やWebなどメディアごとの違いはあっても、その役割は基本的に同じだと考えています。もちろんそのメディアの特性を理解して最適な解へと導くことも大事ですが、文字や色、空間の見せ方といった伝えるためのデザインの根本的な部分は大きく変わらないのではないでしょうか。

セッションで紹介した海外のWebデザイン

眼科医のサイト
http:// www.oculisticamastropasqua.com/

フランスのクリエイティブスタジオのサイト
http://waaark.com/
スクロールではなく動き+トランジションで見せている。

デンマークの船舶協会のサイト
http://www.navigatingresponsibly.dk/

Tシャツのオンラインストア
https://cottonbureau.com/
統一された書体、カラーの使い方とグリッドを意識したレイアウト

クリエイティブエージェンシーのポートフォリオサイト
http://nurturedigital.com/

SVG in Font
https://bixacolor.com/
現在Firefoxのみカラーで表示されるがカラーフォントが利用できる。SVGアニメーションも含め利用できるようになるとベクトルのまま多くの表現が可能になる。


■ プロフィール
樋口泰行 (Yasuyuki Higuchi)
グラフィックデザイナー
有限会社樋口デザイン事務所 代表
大阪芸術大学 グラフィックデザイン科卒
東京工科大学 非常勤講師
海外向け広告代理店でのディレクターを経て、グラフィックデザイナーとして独立。イラスト、広告・DTP・Webデザイン・プレゼンテーション制作をメインに活動。またクリエイティブ関係のテクニカルライティング・取材執筆、講師などを行う。
近著:デザインのバリエーションや代案をくださいと言われてももう悩まない本。、だれでもレイアウトデザインができる本(エクスナレッジ刊)、プレゼンに役立つデザインの法則50(玄光社刊)現場のプロから学ぶPhotoshop + Illustrator デザイン(マイナビ)など。


スライドダウンロード


ファイルイメージ

大里浩二さんのスライド


ファイルイメージ

樋口泰行さんのスライド


懇親会



懇親会は、セミナー会場近くのクッチーナデルカンポにて開催しました。平日遅い時間の21:30-23:00という時間帯に関わらず、16名様にご参加いただき、和気あいあいと楽しく交流できました。今回もデザインと文字をテーマとした、濃くて深い話で盛り上がりました。


またの機会に、FONTPLUS DAYセミナーでお会いできることを楽しみにしております。ありがとうございました。